変形地に建つ狭小の家 - 前原町の家 手押しポンプと雨水貯水槽。神戸市長田にあった施主のもとの家は、阪神大震災の火事で焼け落ちた。震災では電気が使えなかったこともあり、懐かしい昔ながらの手押しポンプだけが使い物になったとの経験を持つ施主。 その生々しい経験から山手の別の敷地で、雨水利用のタンクを造ってほしいとの希望でこの計画は始まった。 片流れ勾配のシルバー金属屋根に降る雨水の全てが、北側前面道路のファサードにある2本の竪樋に沿って地下タンクへ溜まる(この2本のうち1本は予備である)。 初期の汚れた水は、別の小さなバイパスの樋へ流れ落とすように設計したので、タンクの水が飲めそうなほどきれいなのには驚いた。 将来的には、この水を浴室・トイレへの供給など利用することも考えている。 |