建築デザイナー(デザイン)とは、何んなのでしょう..
私たちが建築を作る上でデザインとは、どのようなことでしょうか。
ただ作って行きながらやっている事といえば、建築はアートだけではなく、architecture は総合芸術ということからしても、そこに人が入って行ける必要があり、そこで生活なり行動ができる大きな器づくりです。
その中で何をするにしても機能性は必要で快適性でなければならないことが、オブジェとの大きな違いだと思います。何も考えずに自動的に決まって行ければ問題はないのですが、建築には予算、施主の要望、法的な多くの規制がなどがあります。
沢山の制約があるところがアートだけでない理由です。
特に一つ一つが主張させるものでもないと思うし、最終的に何か伝わるものへとなるように、一つ一つを決めて行く作業の連続だと思います。
こうした決めて行く行為・過程こそがデザインなのだと思います。
デザインするというよりは、初めに感じたり思い浮かんだ完成するイメージに向けて、設計を進めていくのですが、建主さんの夢や思いを取り入れながらそのイメージに置き換え、法的な規制をかいくぐりながら、構造屋さんにその意図を伝えて、また施工する業者とコミュニケーションをとりながら、最終的に当初の設計のイメージを完成させるまで、ただひたすら粘り続けていく根気との戦いの作業だと思います。
図面を書いたらそのまま出来てしまうのではなく、そのイメージが壊されないように最終目標に向けて、ディテールを綺麗に納めながら、決定し続けていくとても根気の必要な作業です。この一連の作業が建築ではデザインだと思います。
決して表層面だけでなく、ただ初めに思い浮かんだ空間のイメージを膨らませながら、そのために多くの時間を費やして作り続けていく作業です。これらの全てがデザインだと思いますが、必要の無い物は切り詰めていく作業という意味では、ミニマムなデザイン、作家性のないという意味ではアノニマスデザインに通じるところがあるかもしれません。
私たちは全てをデザインして作る時と、規格品を選択して組み合わせて、一つの建築を作り上げていく時があります。
これも予算により左右されますが、既製品を選択しながら組み合わせていき、一つの建築にしていく作業もデザインの内だと思います。