意外と知られてないコンクリートの構造と裏技
コンクリート工事には、コンプラスト(躯体防水)を用いると、密実なコンクリートで強度も増した躯体防水ができます。
地下室や基礎のコンクリート工事にも最適です。コストはコンクリート工事の約10%UPしますが、防水工事が不要なだけではなく、コンプラスはメーカーがプラントで品質管理をするので、標準のコンクリートに比べて約3割ほど強度が増す利点があります。
このコンプラストとはどのような物かといえば、コンクリートの打設時に流動性を増すための高性能の流動化剤です。詳しくいえば、躯体防水用非空気連行性減水剤です。
難しい名前ですが、コンクリートを打設する時には、一般的には流動性を増すためには、AE剤というコンクリート中に微少な空気粒を生じさせる混和剤を入れる時もあるのですが、強度がいくぶん下がります。
ひどい時には、現場で水増ししてコンクリートを打設されてしまう時もあります。鳥取県では公共工事は全てコンプラストを使っているそうです。
写真の湯里の集合住宅では、全てのコンクリート工事にこれを使い躯体防水としました。
密実で頑強なコンクリートは、鉄筋にコンクリートがへばりつくといわれていた様に、一部分のコンクリートを破つる箇所があったのですが、職人さんは「なんやこのコンクリートは、固くてはつれねえや、こんなコンクリート見た事がない」と聞いてなお驚き、固くて作業がはかどらないくらいの物でした。
密実なコンクリートなのでプールも作れて、また海水でコンクリートを打設しても問題ないくらいだそうです。濃密で高強度のコンクリートが出来るので、クラックが入りにくく中の鉄筋が錆びないから出来るそうですが、これには大変驚きました。
高速道路や新幹線の注脚などに使えば、約100年程度はメンテナンスフリーなぐらいの物が出来ていたかもしれません。
コンクリートが剥奪して鉄筋がむき出しの状態となり、その後のメンテナンスの対応に追われ莫大な費用が嵩んでいるのが現状だと思います。阪神大震災で、阪神高速のコンクリート造の高架が倒壊しました。
ずさんな施工管理や、構造自体が頭でっかちであったが、コンプラストを使って、十分な品質管理をしていたらひょっとしたら倒壊をまぬがれたかもしれません。
意外と工務店さんは、このコンプラストは敬遠されます。屋上の防水などはのちのちメンテナンスが必要なごく普通の防水に、いつまでも頼っているのが不思議なくらいです。
万が一、躯体防水にクラックが入ったとしても目視で確認が出来るのも利点です。ただ、建築工事では最終的な予算調整でこのコンクリート工事の約10%UPが、厳しい現実では目先のコストダウンの項目に入ってしまう時があり残念なくらいです。
もし、100年住宅を目指すのであれば、基礎工事には最低これくらいのものは必要ですね。